フィナステリドは、Ⅰ型5σリダクターゼ酵素の働きを抑制して、薄毛の原因となるジヒドロテストステロンを生成させにくくさせる働きがあります。

効果のある頭部の部位は、以下の通りです。

フィナステリドの効果が発揮される頭部の部位
前頭部

頭頂部

日本皮膚科学会「男性型脱毛症診察ガイドライン」では、フィナステリドは男性型脱毛症の治療に効果があると記載しています。

フィナステリド内服の発毛効果に関して良質の根拠があるので,男性症例に対する内服療法の第一選択薬として強く推奨する.

フィナステリドの効果

フィナステリドは、もともとは前立腺肥大治療薬に含まれていた成分でした。しかし、のちの研究でこの成分には脱毛の抑制、発毛や増毛の効果があることが分かりました。

フィナステリドについての効果を研究したものがあります。
この研究では、414人の男性にフィナステリドを1.0㎎投与したグループ、0.2㎎投与したグループ、外見や味が同じで薬効と無関係なものを投与したグループ(ブラセボ)の3つに分けて、1年に渡って試験を行っています。
出展https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15319158
症状 1.0㎎投与 0.2㎎投与 ブラセボ
改善 58% 54% 6%
維持 40% 41% 72%
進行 2% 41% 22%

結果は、1年後でフィナステリド1.0㎎を投与したグループが58%の改善、40%が進行はせずに現状維持98%の方に効果があると結論づけています。

さらに、フィナステリド1.0㎎を投与したグループを3年間にわたって検証した報告もあります。
症状 1年 2年 3年
改善 58% 68% 78%
維持 40% 31% 20%
進行 2% 1% 2%
継続して使用することで、改善された方が約80%となり、非常に高い効果があることが認められています。

フィナステリドの副作用

フィナステリドの使用で、起こりうる副作用は性機能障害、肝臓機能低下などが起こりえます。

フィナステリドの使用で起こりうる副作用
睾丸通、精子濃度減少、精液量減少 

肝臓機能低下 

勃起不全、性欲減退  

性機能障害

さきほど、ご紹介した研究では副作用の発症率についても研究をしています。

期間 性欲減退 勃起不全 射精障害 精液量減少
1年 1~5% 1% 1% 1%

肝臓負担

肝臓に負担をかけてしまうと、様々な副作用を引き起こす可能性があります。

肝臓機能低下による副作用
女性化乳房

疲れやすくなる・体がだるい 

頭痛・発熱  

女性化乳房とは、女性のように胸が丸みを帯びてふっくらする現象です。
肝臓が機能を低下することにより、体内の女性ホルモンを代謝できなくなり、蓄積させてしまう現象が起こります。女性ホルモンが蓄積されることで、体内の女性ホルモンの濃度が高くなり女性化作用が起きてしまうのです。
女性化乳房の初期症状
胸や乳首が敏感になる

乳腺、乳首の腫脹(シュチョウ・腫れる)

乳首の直径が大きくなる

乳首の授乳

初期症状のまま放置すると、女性のように胸になってしまいます。一旦なってしまうと、手術でしか治療することはできなくなりますので、初期症状が現れた場合は、ノルバデックスを使用して改善を図ってください。

こういった思う副作用を防止するためにも、肝臓機能の低下を予防・改善するためにシリマリンと呼ばれるケア剤がありますので、肝臓の副作用が心配な方は、準備しておきましょう。

フィナステリドを使用する前の注意点

女性の使用は、禁止されています。特に妊娠授乳中の女性は絶対に使用しないでください。
妊娠中の女性が使用してしまうと、男子胎児の生殖器官等の発育に影響を及ぼす可能性がありますので、注意してください。

フィナステリドの記事一覧